304 研究施設の現状と将来計画
8-7 岡崎統合バイオサイエンスセンター
岡崎統合バイオサイエンスセンターは,岡崎3機関(基礎生物学研究所,生理学研究所,分子科学研究所)と連携し, 新たなバイオサイエンスを切り開くことを目的として設置された岡崎共通研究施設であり,三つの研究領域(時系列 生命現象研究領域,戦略的方法論研究領域,生命環境研究領域)から構成されている。岡崎統合バイオサイエンスセ ンターに所属する専任教員は,基礎生物学研究所,生理学研究所,分子科学研究所,いずれかの研究所の教員を兼務 している。現在,分子科学研究所教員を兼務している教員は,青野重利教授,加藤晃一教授,桑島邦博教授,藤井浩 准教授,真壁幸樹助教の5名である。
岡崎統合バイオサイエンスセンターでは,平成22年度から「環境分子・生体分子応答機構研究推進事業」,「生命 機能分子から生命システムの全体像にせまる統合バイオサイエンス」の2つの研究プロジェクトを推進している。
(1) 「環境分子・生体分子応答機構研究推進事業」においては,環境分子による生理機能撹乱の本質を明らかにし, 環境分子が生物へ及ぼす影響の定量予測法の確立,環境分子による生物への悪影響の低減策確立のための科学的基 盤の確立を目的として,下記のようなサブテーマを設定して研究を実施している。
1). 環境分子の受容・応答機構研究
2). 環境分子による生理機能撹乱の統合的研究 3). 生殖細胞分化機構研究
4). 細胞のストレス応答・ストレス防御機構研究 5). 生体分子による正常生理機能制御の統合的研究 6). 環境分子の生物影響に関する統合的データベース構築
(2) 「生命機能分子から生命システムの全体像にせまる統合バイオサイエンス」においては,高次生命現象を生命機 能分子の構造的側面にまで掘り下げて理解することにより,生命システムの全体像を解き明かすことを目的として, 下記のようなサブテーマを設定して研究を実施している。
1). 生命現象の機能解析(特に神経回路網形成や視覚の解析)
2). 生命機能分子の網羅的探索(特に発生・神経回路網形成に関わる蛋白質の遺伝子レベルでの解析)
3). 生命機能分子の構造・機能解析(網羅的探索で明らかにされた蛋白質(大部分は天然変性蛋白質)のうち, 高次生命現象にとって重要なもの,および,チャネル蛋白質やセンサー蛋白質などの膜蛋白質を対象とする) 4). 高次生命システムと生命機能分子の計算機シミュレーション
5). 上記の研究を進めるための方法論・装置開発
また,平成23年度には,本事業のテーマに関連し,「生命機能分子から生命システムの全体像に迫る—環境のセ ンシングと配偶子制御」をテーマとし,主に若手研究者を対象としたサマースクールを実施した。